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【皮膚科医が解説】知っておきたい、サプリメントの基礎知識と正しい使い方

美容と健康を支える手軽な手段として定着してきた「サプリメント」。しかし、正しい知識のもとで活用している人は、意外と少ないかもしれません。今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生に、サプリメントの定義からよくある誤解まで、基本的な知識についてお話を伺いました。

お話を伺ったのは…

サプリメントって結局なに?医薬品との違い

Q.サプリメントとは、そもそもどういうもの?

A.日本では明確な定義はなく、「健康食品の一部」と捉えるのが基本です。

サプリメントは日本において明確な定義が存在しませんが、厚生労働省では「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」として捉えられています。一方、アメリカではサプリメントを「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品であり、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブなどの成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセル等)のもの」と定義しています。

いずれにしても、日本ではサプリメントは、健康食品の一種として扱われており、医薬品とは明確に区別されています。

 

Q.具体的に、医薬品とはどのように違う?

A.医薬品は“病気を治す”もの、サプリメントは“健康を支える”ものです。

医薬品は病気の「治療・予防・軽減」を目的とした“薬”であるのに対し、サプリメントはあくまで“健康食品の一種”として、病気との関連を前提としないものです。具体的には、栄養成分を補給したり、健康を維持・増進する目的で摂取するものと位置づけられています。

そのため、医薬品とサプリメントはまったく別のカテゴリーに属しており、用途や役割も大きく異なります。サプリメントは「体の調子を整える」「足りない栄養を補う」といった補助的な役割を担うものであり、医薬品のような治療効果を期待するものではありません。

それ、思い込みかも?サプリメントのよくある誤解

Q.サプリメントは「たくさん飲めば効く」もの?

A.用法・用量を守ることが基本。過剰摂取にはリスクもあります。

サプリメントは“量を多く取ればよい”というものではありません。用法・用量を守らないことで健康被害につながる可能性もあるため、適切な摂取量を守ることが大前提です。

 

Q.飲んでいてもあまり効果を感じないのですが、意味がないということ?

A.実感しづらいものですが、“やめて気づいた”という方もいます。

「飲んでいるときは気づかなかったが、やめて初めてなんとなく変化を感じた」という声を耳にすることもあります。サプリメントは劇的な変化をもたらすものではなく、日々の体調をじっくり支えるような存在と捉えるのがよいでしょう。

 

Q.サプリメントで、シミやシワ、たるみが改善するというのは本当?

A.サプリメントだけで肌悩みを解消するのは、難しいと考えられます。

美容目的でサプリメントを活用する方は増えていますが、サプリメントやスキンケアだけで「シミ・シワ・たるみが改善する」といった効果を期待するのは、現実的ではありません。

医師のもとでは「治療後の状態を維持するための補助」として、ビタミンCなどを提案することもありますが、根本的な改善を目的とする場合には医療的なアプローチが必要です。

ゆらぎ世代の栄養戦略!不足しがちな成分とその理由

Q.一般的に、どのような栄養素が不足しやすいの?

A.たんぱく質をはじめ、ビタミン類やミネラルが不足しがちです。

特に働く女性や更年期を迎える年代では、食生活の偏りや無理なダイエットの影響で「新型栄養失調」と言われる状態に陥っている方が増えてきています。具体的には、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12など)、ビタミンD、カルシウム、鉄、亜鉛などが不足しやすいとされ、厚生労働省からも注意喚起されています。

 

Q.不足している栄養素は、サプリメントで補うのがよい?

A.まずは食事が基本。サプリメントはその補完です。

医師としては、血液検査などで不足している栄養素を確認したうえで適切な成分を選びますが、一般論としては「まずは食事で栄養バランスを整える」ことが大前提。そのうえで、不足している成分をサプリメントで補うのが基本です。

サプリメントを選ぶ前に。知っておきたい心構え

Q.サプリメントを選ぶ際、チェックすべきポイントにはどのようなものがある?

A.まずは、ラベルや成分表示をしっかり確認することが大切です。

具体的な成分や品質を見極めるには専門的な知識が必要になる場合もありますが、基本的なポイントとしては「ラベルの記載内容」「栄養成分」「原材料」「原産国」などを見る習慣を持つことが大切です。「何が入っているのか」「どこで作られているのか」がきちんと表示されているかをチェックするだけでも、安心感につながります。

 

Q.そもそもラベルを見慣れていない人も多いです。

A.まずは“見ること”からでOKです。成分や表示に意識を向けることが第一歩です。

専門的な理解までは必要ありませんが、「ラベルを見る」という習慣を持つだけでも、製品選びに対する意識が変わってきます。特に、日頃あまり気にせず選んでいるという方は、原材料や栄養成分を確認する習慣を少しずつ身につけることが、納得のいく選び方につながっていきます。

 

Q.サプリメントに即効性を求めてしまうのはよくない?

A.サプリメントは薬ではないので、継続して取り入れることが大切です。

肌や体の変化には時間がかかるもの。サプリメントもスキンケアと同じように、日々コツコツと続けることが何より大切です。「たくさん飲めば効く」「すぐに変わる」といった考え方ではなく、「今の健康状態を維持する」「劣化を防ぐ」「ゆるやかに整えていく」といった視点で取り入れていきましょう。

一時的な効果より、毎日の積み重ねを大切に

今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生にお話を伺いました。

サプリメントは、日々の生活や食事を支える「補助的な存在」として取り入れるもの。医薬品のような即効性や治療効果を期待するのではなく、「健康を守り、維持する」ことを目的とするのが正しい使い方です。

信頼できる製品を選び、継続して取り入れることで、未来の自分の体と肌にきっとやさしく響いてくれるでしょう。

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