&setouchi

【開発インタビュー】#02 開発メンバー座談会~「美容は健康の上に成り立つ」医薬品メーカーの挑戦

肌のハリ・弾力・うるおいに着目し、年齢に応じたインナーケアで美しさを支えるというコンセプトのもと開発された、美容ドリンク「HARI DRINK premium(ハリドリンク プレミアム)」。本製品は、瀬戸内地方にゆかりのある企業やメンバーが集結した、「&setouchi」のプロジェクトチームによって企画・開発されました。今回は、&setouchiプロジェクトのメンバーであり、森田薬品工業株式会社の開発プロジェクトリーダー小畑さんと、品質管理部門の安達さんにインタビュー。医薬品メーカーとしての知見をもとに挑んだ処方設計、50回以上にわたる試作を経て実現した“実感と“美味しさ”の両立、そして瀬戸内の恵みをどう一本に込めたのか――。開発の舞台裏と、製品に込めた想いを語っていただきました。

働く女性に“ととのう一本”を。実感と美味しさの両立へ

ーーー「HARI DRINK premium」の開発に至った背景を教えてください。

小畑:当社の強みであるプラセンタ、そして地元・瀬戸内の魅力を活かした新しい商品をつくろう――。それが今回の開発の出発点でした。

そこでまず取り組んだのが、自社の商品ラインナップの見直しでした。これまで当社は医薬品を中心に、どちらかといえば男性向けの商品が多かったのですが、主力成分であるプラセンタは、女性にとっても“美”という観点で大きな可能性を持っている。そこで「女性に寄り添う商品づくり」を明確に打ち出しました。

さらに、社会の変化も大きな背景になっています。女性の社会進出が進み、責任ある仕事を担う方が増える中で、疲れやストレスを感じてはいるものの、忙しさから自分のケアまで手が回らない方も少なくありません。そこで、私たちは、心と体を整えるアイテムをお届けし、毎日に小さな“ひと息”を添えられたらと考えました。

ターゲットは働く女性全般をイメージしましたが、特に40〜60代にフォーカスしました。子育てがひと段落し、自分の時間を持てるようになった世代であり、改めて「美や健康に向き合いたい」と考える人が増える年代です。そうした方々に寄り添える商品を目指しました。

開発プロジェクトリーダー小畑さん

ーーー市場には数多くの美容ドリンクがありますが、その中でどんな課題や物足りなさを感じていましたか?また、今回の商品では、どのように差別化しようと考えられたのでしょうか。

安達:他社の美容ドリンクは、飲みやすくて美味しいものが多いと思います。ただ、個人的には、毎日続けたいと思うほど効果を実感できる商品は、正直少ない印象です。

一方で、当社のプラセンタ製品は濃度が高く、体感も得やすいのですが、とにかく飲みにくい。一般の方にとっては続けにくいものだろうと思います。

小畑:実際、市場には“美味しく飲みやすいプラセンタドリンク”が多くあります。ただ、当社は、医薬品メーカーとして培ってきた知見を活かし、より高濃度でしっかりと実感を得られる配合を目指してきました。

ただし、濃くなればなるほど味は悪くなる。ここが最大の課題でした。今回挑戦したのは「効果をしっかり出しながら、美味しく仕上げる」というギリギリのラインを攻めること。この難しいバランスを取ることこそが、開発の大きなチャレンジでした。

品質管理部の安達さん

50回以上の試作が導いた、処方設計の答え

ーーー味の設計については、相当苦労されたと伺いました。

安達:体感性やプラセンタの濃度には自信がありましたが、最大の課題は「味」でした。美容ドリンクは、毎日継続して飲んでいただくことが大切です。そのためには“美味しく飲める”ことが欠かせません。そこで、どうすれば飲みやすくできるのか、社内でも大きなテーマになりました。

これまで当社は医薬品の開発が中心だったので、医薬品の場合、苦みなどの飲みにくさはお客様に期待感として受け入れていただけるところもありました。しかし、今回は他の成分との相性やバランスを考えながら、自社では初めて果汁を取り入れるなど、継続して飲んでいただくために味の設計も大切にしました。美容ドリンクとしての期待感や信頼感をもちながら、日々の習慣として続けられる飲みやすいドリンクとなるよう試作と官能試験を何度も繰り返しました。

開発期間は2年におよび、試作は50回以上。最初に飲んだときは「本当に商品化できるのだろうか」と思うほどでしたが、試行錯誤を重ねる中で少しずつ改善されて…。苦労をした分、ゴールが見えてきたときの喜びはひとしおでしたね。

最初は、チーム内で意見を言うのを遠慮し合う雰囲気もありましたが、「率直に伝えてほしい」と呼びかけてからは、チーム全員で意見を出し合えるようになりました。ときにはメンバー間で正反対の評価が出て戸惑うこともありましたが、その積み重ねが“体感と美味しさの両立”という難題を乗り越える力になったと思います。

ーーー処方設計は、どのような方針で進められましたか?こだわりや苦労した部分も教えてください。

小畑:最初にチームで掲げた旗印は、「ナンバーワンのハリドリンクをつくろう」ということでした。そのうえで、本当に効く成分を、効果に必要な量だけ入れる。ここは絶対に崩さない。目標は“10日で体感、1カ月で実感”です。

これはどういうことかというと、美容ドリンクで肌の変化を実感するには、一般的に約1カ月を要します。だからこそ、その1カ月を無理なく続けていただけるよう、まずは10日で「なんだか体の調子がいいかも?」と変化を感じられることを重視しました。継続の手応えが最初の10日間にあることが、1カ月先の実感につながると考えています。

処方は当社の強みである「プラセンタエキス」を中核に、内側のコンディションを整える「ライスパワー®No.103」、さらに“めぐり”の観点から「ヒフワンステム®」を組み合わせる——この三成分を骨子に設計しています。プラセンタエキスで体感の芯をつくり、ライスパワー®No.103で土台を整え、ヒフワンステム®の力で配合成分を体の末端まできちんと届けきる意図です。ここに美肌ビタミン群を適切に配合し、継続摂取での手応えを設計しました。

加えて、私たちは瀬戸内で育まれた恵みを大切に、毎日の一本の中でそっと息づく形で活かしたいと考えました。主力成分の一つであるライスパワー®No.103は、香川県にある「勇心酒造株式会社」が開発した独自の成分。食用薔薇から抽出したローズエキスは、地元・福山の「マチモト薔薇農園」にご協力いただき、品種選定から抽出まで一から仕立てていただいたオリジナル原料です。さらに、淡路島由来の海洋ミネラル結晶も配合しました。

瀬戸内にゆかりのある原料については、地域への思いとともに、処方の中でそれぞれの役割がきちんと活きるよう設計しました。

「HARI DRINK premium」には、1本にするには贅沢なほど成分を詰め込んでいます。1本あたりにすると800円という値段ですが、1,500円くらいでもよいといっても過言ではありません(笑)

ものづくりの原点は「美容は健康の上に成り立つ」

安達:成分にとことんこだわりましたが、処方を考えて終わりではありません。量産段階では、粘度や原料同士の相互作用の影響で製造ラインにおいて、配管や充填の流れが悪くなることがあり、原因を一つずつ特定して相性の悪い原料は見直しました。

成分の必要量を確保すると物理的に収まらない課題もあり、内容量は想定の30mLから50mLへ変更しています。製造ラインの切り替えなど現場負荷はありましたが、開発と製造が連携して量産化にたどり着きました。

あわせて、溶けにくい原料をきちんと溶かし込む工夫や、時間の経過でビタミンが減ってしまわないようにする工夫など、地道な検討を積み重ねてきました。果汁やコラーゲンといった初めて扱う食品系原料も多く、相性の見極めや扱い方のノウハウが少しずつ蓄積できたのは収穫です。

小畑さん。開発・製造においてあらゆる工程に携わる。

小畑:今回、美容ドリンクという新たな商品の開発へ挑戦をしたわけですが、私たちはもともと製薬から出発しているので、配合は「どの成分を、どの量で、どう摂れば意味があるか」から考えます。

長く扱ってきたプラセンタの知見を踏まえ、必要量や摂り方、体感のタイミングまでをできる限り理屈で詰めて設計しました。単に流行の原料を並べるのではなく、必要なものを選ぶ姿勢は、今回も変わりません。

発想の根には「美容は健康の上に成り立つ」という考えがあります。体の内側から実感につながるよう整える——医薬品メーカーとしての経験が、自然に今回のものづくりにも活きたと思います。

瀬戸内のやすらぎを、毎日の一本に

ーーー「HARI DRINK premium」を通じて、どのような価値をユーザーに届けたいと考えていますか?

安達:毎日の中で小さな“変化の芽”を感じて楽しんでほしいと思っています。「疲れが軽くなった」「気持ちがふっと和らいだ」「なんだかお肌の調子がいい」。そんな感覚が積み重なって、自然と前向きになれる。無理のないリズムで続けられる一本として、「自分をいたわるスイッチ」になれたらうれしいです。

小畑:瀬戸内の静かな景色や、ゆったり流れる時間のイメージを、この一本にも重ねています。仕事や家事で慌ただしい日でも、飲むことで少し肩の力が抜ける。夜はほっとして、朝は気分よく始められる。そんな日々の“ととのい”を届けたいですね。

「&setouchi」は、このドリンクで終わりではありません。「内側から、無理なく、心地よく」の考え方を軸に、まずはインナーケアを中心に、必要に応じて外側のケアにも広げていきます。背伸びせず続けられるラインナップで、働く女性の毎日に寄り添うブランドに育てていきたいです。