2025.10.24
特集記事
【皮膚科医が解説】これからの肌と生きる、エイジングケアの始め方
年齢を重ねることは、肌との向き合い方を変えるきっかけでもあります。「今の私の肌には、何が必要?」そんな問いかけから始まるエイジングケアは、自分自身と丁寧に向き合う時間でもあります。今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生に、年齢肌の変化やケアのポイントについてお話を伺いました。スキンケアの見直しはもちろん、生活習慣やインナーケアといった“内と外”の両面から、肌と心に前向きな変化をもたらすヒントをお届けします。
目次
お話を伺ったのは…

年齢肌、何が起きている?
Q. 年齢によって肌悩みは変わる?
A. 20代は毛穴やニキビ、30代ではシミ、そして40代以降になるとシミに加えてシワやたるみなど、年齢とともに肌悩みは変化していきます。
近年は年齢を問わず、「酒さ(しゅさ)」など顔の赤みに関する相談が増えており、敏感肌の一症状として、日本に限らず世界でも同様の傾向が見られます。
こうした背景には、美容医療やスキンケアの選択肢が広がる一方で、自分に合わないケアを取り入れてしまったり、生活様式や食生活の多様化によって肌への負担が増えていたりすることなどが影響していると考えられます。
Q. 40代以降の肌で、とくに悩みがちなのは?
A. 40代以降は、「たるみ」をはっきりと感じる人が増えてくる年代です。
若い頃と同じスキンケアを続けていても、40代になると「あれ?なんだか顔の印象が変わってきたかも」と感じる方が増えてきます。特にたるみは、20代後半と40代後半に気づくことが多く、40代では“これまでのケアでは物足りない”と実感しやすくなります。
これまでハリ感でカバーできていた部分が、年齢とともに隠しきれなくなり、肌の変化としてあらわれてくるためです。
Q. 若い頃からの自己流ケア、見直しが必要?
A. 肌の状態は年齢とともに変化するため、定期的な見直しが大切です。
たとえば20代後半になると皮脂の分泌量が減少し、これまで問題のなかった洗顔料でも乾燥やつっぱりを感じることがあります。さらに40代後半以降は、更年期によるホルモンバランスの変化が重なり、代謝やターンオーバーの低下といった影響も。
そうした変化に気づかず、若い頃と同じ自己流ケアを続けていると、かえって肌トラブルの原因になることもあるため、自分の肌状態に合わせたケアの見直しが必要です。
スキンケアの見直しから始めるエイジングケア

Q. スキンケア、まずは何を見直せばいい?
A. まず、洗顔やクレンジングの見直しから始めるのがおすすめです。
皮脂分泌が多い若い時期は、ベタつきを嫌ってさっぱり系のケアを好む傾向がありますが、年齢とともに皮脂量は減少し、肌が乾燥しやすくなっていきます。とくに40代以降はその傾向が顕著になり、乾燥による肌不調やハリ不足を感じる方が増えてきます。
この時期に見直したいのが「洗顔」と「保湿クリーム」。洗顔は、肌のうるおいを守る低刺激なものに切り替え、保湿力の高いクリームをプラスすることで、年齢肌に必要なうるおいをしっかりキープできるようになります。
Q. スキンケアで注意すべきポイントは?
A. 肌のためと思ってのケアが、かえって負担になることもあります。
たとえば、顔全体にバームを厚く塗ることは、毛穴詰まりの原因になる可能性があるため注意が必要です。本来は乾燥しやすい部分に絞って使うのが理想的。また、毛穴汚れが気になるからとスクラブで顔全体をこするのも摩擦や炎症につながり、色素沈着やたるみの原因になることがあります。
スキンケアではないですが、自己流の顔のマッサージも方法や力加減によっては逆効果になることがあるため、要注意。とくに摩擦を与えるような動きは避け、フェイスラインや首などに優しくアプローチする程度にとどめましょう。
Q. 忙しくても続けられる、おすすめのスキンケアは?
A. 「ローションパック」は、シンプルで続けやすく、肌のうるおいをしっかりサポートできる保湿ケアです。
時間がなくても続けやすく、肌にしっかり水分を届けられるのがローションパックの魅力。とくに40代以降の肌は乾燥しやすくなるため、毎日の保湿ケアに取り入れることで、肌の水分保持力をサポートできます。
選ぶ際は、肌の乾燥レベルに合わせて価格帯や使用頻度を調整するのがポイント。乾燥が気になる方は、週に1〜2回のスペシャルケアとして高保湿タイプを取り入れるのがおすすめですし、そこまで乾燥が気にならない方であれば、毎日使える手頃なタイプでも十分です。
年齢肌には、“内と外”のWケアが鍵

Q. スキンケア以外に、生活習慣で意識すべきことは?
A. 年齢を重ねるにつれて、スキンケアだけでなく、体の内側からのケアもますます重要になってきます。
まず意識したいのは「生活リズムを整えること」。毎日の起床・就寝・食事の時間をある程度固定することで、ホルモンバランスが整いやすくなり、肌の健やかさをサポートしやすくなります。また、40代以降は代謝が低下する傾向にあるため、筋肉量を維持することも大切。無理のない範囲での運動習慣や、たんぱく質を意識した食生活は、肌づくりの基盤にもつながります。
20・30代の頃は少々の不規則な生活や食事でもリカバリーできたかもしれませんが、年齢とともにそうはいかなくなるのが現実です。睡眠・運動・食事という「生活の基本」を、今一度見直すことが、肌にとっても良い変化をもたらします。
Q. インナーケアとスキンケア、どちらが大切?
A.どちらか一方を選ぶのではなく、インナーケアとスキンケアの「両方が大切」です。
とくに40代以降は、スキンケアだけでは追いつかない肌悩みも増えてきます。肌の土台を内側から整えるインナーケアは、スキンケアの効果をより実感しやすくするための“サポート役”として、年齢とともにその重要性が高まっていきます。
また、40代はホルモンバランスや代謝の変化を感じやすい時期。だからこそ、これまでの生活習慣や食事のあり方を見直す良いタイミングでもあります。疲れやすさ、ハリの低下、たるみといった変化を感じたら、肌と体の両方に働きかけるケアを取り入れることが、これからのエイジングをゆるやかに進める鍵になるでしょう。
ポジティブに肌と向き合うために
Q. 年齢を重ねても肌に期待を持ち続けるには?
A.年齢を重ねるほど、肌の変化や悩みを実感する場面は増えるかもしれません。でも今は、美容医療やスキンケア、インナーケアなど、肌に向き合うための選択肢が豊富にあります。
だからこそ、自分の肌に「これからもきっと変われる」という前向きな期待を持って良いのです。
そのうえで大切なのは、日々の生活を丁寧に過ごしながら、スキンケア・食事・睡眠・美容医療、栄養を補完するサプリメントなどを、“偏りなくバランスよく”取り入れること。何か一つに頼りすぎるのではなく、無理のない方法で楽しみながら取り組むことで、肌との向き合い方もポジティブに変わっていきます。
変化を受け入れながら、未来の自分の肌に期待できる。そんな健やかな関係性を築いていくことが、エイジング期の美容のいちばんの魅力かもしれません。
今の肌に寄り添って、エイジングケアを味方に

今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生にお話を伺いました。
年齢とともに変化する肌に、若い頃の自己流ケアを続けていると、かえって肌悩みを深めてしまうこともあります。だからこそ、今の自分に合ったスキンケアと生活習慣の見直しが、これからの肌を守る土台になります。
また、年齢肌においては、外側からのケアだけでなく、インナーケアや生活リズムといった“内側からのサポート”も欠かせません。バランス良く、無理のない形で続けることが、肌と心の健やかさにつながっていきます。
年齢を重ねても、肌は変われる――。エイジングケアを前向きに楽しむ気持ちこそが、美しさを育てる力になるのかもしれません。
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