2025.11.14
特集記事
【皮膚科医が解説】食生活から始める、エイジングケアの新習慣
肌の調子がなんとなく冴えない、疲れた印象に見える——。そんなとき、スキンケアとともに見直したいのが「毎日の食生活」です。食事は、肌や体のコンディションを左右するいちばん身近なエイジングケア。糖質や脂質のバランス、たんぱく質の摂り方、そして栄養の組み合わせまで、日々の“食べ方”が未来の肌をつくっていきます。今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生に、年齢肌を内側から支える食習慣について伺いました。忙しい日々の中でも無理なく続けられる、食とインナーケアのポイントをお届けします。
目次
お話を伺ったのは…

毎日の食事が肌の土台をつくる
Q.食生活と肌の状態は、関係がある?
A.肌は、日々の食生活を映し出す“鏡”のような存在です。
若い世代では、食生活の乱れがニキビや吹き出物といったトラブルとして現れやすく、40代以降になると、たんぱく質不足によるハリの低下や、全体的な「元気のなさ」が目立つようになります。診察をしていても、「肌がへたれてきた」と感じる方の多くが、食事からのたんぱく質摂取が足りていない傾向にあります。
さらに、糖質の摂りすぎはくすみやごわつきに、脂質の偏りは皮脂バランスの乱れにつながるなど、栄養の偏りは肌トラブルとしてあらわれます。とくに40代以降は代謝が落ち、若い頃のように「食べ過ぎても翌日リセットできる」ということが難しくなります。そのため、食生活の小さな乱れが少しずつ蓄積し、肌の印象を左右していくのです。
つまり、肌の調子を整える基本は「栄養のバランス」。何かひとつの食材に頼るのではなく、日々の食事の積み重ねが肌の土台をつくります。
肌の老化を招く、NGな食習慣とは?

Q.肌の老化を進めてしまう“NG食習慣”はある?
A.食生活の中で、老化を進めてしまう要因のひとつが「糖化」と呼ばれる現象です。
これは、糖質とたんぱく質が結びついて「AGEs(終末糖化産物)」という物質をつくり出すもので、肌の弾力を支えるコラーゲンを硬化させ、ハリの低下やくすみを引き起こします。たとえば、過剰な糖質摂取や、焦げ目の強い焼き料理ばかりを好むと、このAGEsが増えやすくなります。
また、「グルテン(小麦に含まれるたんぱく質)」にも注意が必要です。グルテンは消化に多くのエネルギーを必要とし、腸内で炎症を起こしやすい物質のひとつ。その結果、胃の不快感や疲労感だけでなく、肌の炎症や赤みとしてあらわれることもあります。
もちろん、「焼く」ことや「小麦を食べる」こと自体が悪いわけではありません。ただ、焼きすぎ・摂りすぎが続くと、炎症や糖化のリスクが高まるという点は意識したいところです。
老化を防ぐには、まずは「バランスを崩さないこと」。調理法や食材を偏らせず、体への負担を減らすことが、結果的に肌の健やかさを守ることにつながります。
Q.「健康に良さそう」でも、肌には注意が必要な食習慣はある?
A.健康や美容に良いとされる食材でも、そればかりに偏ると、かえって肌の調子を崩してしまうことがあります。
たとえば、人気のアサイー商品やコンビニなどで手軽に手に入るチキンなどを毎日食べているけれど、他の食事は菓子パンや軽食で済ませてしまう。そんな極端な食生活は、一見ヘルシーでも実は栄養バランスが大きく偏っています。
肌づくりの基本は、特定の食材に頼るのではなく、さまざまな栄養を組み合わせて摂ること。とくに日本人にとって理想的なのは、昔ながらの「まごわやさしい(豆・ごま・わかめ・野菜・魚・しいたけ・いも)」のような、カラフルでバランスのとれた和食です。
つまり、どんなに健康に良さそうな食品でも、「これだけ食べていれば安心」と思い込むのはNG。肌も体も、“バランスの積み重ね”で整うという意識を持つことが大切です。
年齢に負けない肌を育てる、食のポイント
Q.エイジングケアに役立つ栄養素や食材にはどんなものがある?
A.肌のハリやうるおいを保つための基本は、やはりたんぱく質です。
肌の弾力をつくるコラーゲンやエラスチン、そして筋肉もすべてたんぱく質やアミノ酸からできています。これらは食べ物からしか補えないため、まずはしっかりと“材料”を摂ることが大切です。
さらに、そのたんぱく質を代謝して新しい肌をつくるには、ビタミンB群が欠かせません。ビタミンB1・B2・B6などは「補酵素」として働き、肌のターンオーバーをサポートします。ビタミンB群は単体ではなくグループで機能するため、緑黄色野菜や卵、納豆、魚などを組み合わせて摂るのがおすすめです。
また、ビタミンCはコラーゲン生成を助け、炎症を抑える働きがあり、フルーツやブロッコリーなどから摂取できます。
亜鉛も美肌に欠かせないミネラルのひとつで、髪や肌のツヤを保つサポートをしてくれます。日本人にとっては、わかめや貝類などの海産物が良い供給源です。

加えて、良質な脂質も見落とせません。セラミドなどの脂質は肌のうるおいを守るバリアの一部であり、油を極端に抜くと肌が乾燥しやすくなります。オリーブオイルや魚の脂など、“いい油”を適度にとることがポイントです。
こうした栄養素は、いずれもバランス良く摂ることが大切。
特に40代以降は代謝が落ちやすく、コラーゲンや筋肉量の低下がたるみやハリ不足につながります。「たんぱく質+ビタミン+ミネラル+脂質」を意識的にとり入れることが、年齢を重ねてもいきいきとした肌を保つ秘訣です。
忙しくても続けられる、エイジングケアのための食習慣
Q.忙しい人でも続けやすい食生活の工夫は?
A.理想を言えば、朝に焼き魚や味噌汁、ごはんといったバランスの良い食事をとるのが一番ですが、忙しい日常の中ではなかなか難しいですよね。
そんな方におすすめしたいのが、手間をかけずにたんぱく質やビタミンを補える“時短フード”の活用です。
たとえば朝は、バナナ+豆乳のスムージーや、納豆・豆腐など火を使わずに摂れるたんぱく質源を活用すると手軽です。これだけでも肌や体の土台づくりに必要な栄養を摂ることができます。
また、間食にはアーモンドがおすすめ。アーモンドに含まれるビタミンEは、血行を促して肌細胞への栄養循環をサポートし、ビタミンCと一緒にとると抗酸化力が高まるのもポイントです。
仕事の合間などに食べるのが難しい場合は、アーモンドドリンクや豆乳ドリンクなど、飲みやすい形で取り入れるのも良いでしょう。
Q.食事だけで補いきれない栄養は、どうすればいい?
A.基本は、あくまで「食事から必要な栄養をとること」が大前提です。ただし、現代の食環境では、食材そのものの栄養価が昔に比べて下がっているとも言われています。
たとえバランスを意識して食事をとっていても、すべての栄養素を食事だけで十分に補うのは難しいのが現実です。そのため、インナーケア製品を“補助的にプラスする”という考え方が理想的です。
不足しがちな栄養をサポートする目的で、美容ドリンクやサプリメントを取り入れることで、食事と合わせてより安定したコンディションを保ちやすくなります。
大切なのは、食事をおろそかにせず、「食事+インナーケア」のバランスを整えること。
忙しくて食事が不規則になりがちな方や、肌のハリ・うるおい不足を感じている方は、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどを補える製品を上手に取り入れると良いでしょう。
今の自分に合った食習慣で、未来の肌を育てる

今回は、皮膚科医の髙瀬聡子先生にお話を伺いました。
肌は、毎日の食事でつくられます。若い頃と同じ食習慣を続けていると、年齢を重ねた肌には負担がかかることも。だからこそ、今の自分に合った食習慣への見直しが、エイジングケアの第一歩になります。
栄養のバランスを整え、無理なく続けられる方法で“内側からのケア”を重ねていくことが大切。そして、食事だけで補いきれない部分は、インナーケア製品を上手に取り入れるのもひとつの方法です。
エイジングケアとは、制限ではなく“自分の肌に寄り添う選択”。日々の食習慣を通して、未来の肌を少しずつ育てていきましょう。
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