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【プラセンタの選び方ガイド】馬・豚・植物性など原料別の特徴比較

美容や健康をサポートする成分として注目を集める「プラセンタ」。一口にプラセンタといっても、その原料や特徴はさまざまで、由来ごとに続けやすさなども異なります。そこで今回は、そもそもプラセンタとは何かという基本から、代表的な原料の種類や選び方のポイントまでを整理しました。

そもそもプラセンタとは?

プラセンタは「胎盤」を意味し、子宮内で赤ちゃんを育む大切な器官です。この胎盤には、生命を育むためのアミノ酸、ビタミン、ミネラルといった栄養素がぎゅっと詰まっています。その栄養価の高さから、古くから健康や美容のために利用されてきました。

特に哺乳類の胎盤から作られるプラセンタには、「成長因子(グロースファクター)」という成分が含まれているのが大きな特徴です。これは、人間の体のコンディションを整える働きをサポートしてくれるたんぱく質の一種で、植物や魚を原料とする「プラセンタ様成分」には含まれていない、胎盤由来ならではの成分です。

主なプラセンタ原料6つ

主なプラセンタ原料である、豚、馬、羊、ヒト、海洋性、植物性について、それぞれの特徴を解説します。

 

豚プラセンタ:流通量が多く価格面も手頃で種類豊富

日本で最も多く流通しているのが豚のプラセンタです。豚は一度にたくさんの赤ちゃんを産むため、原料が安定して供給され、比較的手に取りやすい価格の製品が多いのも特徴です 。品質が気になる場合は、原料の飼育環境や検査体制について公式に情報を開示しているか、また、どの農場で育ったものかを追跡できる「トレーサビリティ」が確保されているかを確認すると、より安心して選ぶことができるでしょう。

 

馬プラセンタ:アミノ酸が豊富で希少性が高い

馬由来のプラセンタは、他のプラセンタと比べてアミノ酸の含有量が多いといわれ、なかには、豚にはない種類のアミノ酸が含まれているものもあります。衛生管理が徹底されたサラブレッドの胎盤が使われることが多く品質は高いですが、馬は一度に1頭しか出産しないため、とても希少です。そのため、製品の価格も高価になる傾向があります。

 

羊プラセンタ:海外で人気、日本では輸入品のみ

羊由来のプラセンタは、日本では製造されておらず流通量も多くありませんが、ヨーロッパやアメリカでは人気のある原料です。人間の胎盤に近いアミノ酸組成を持つため、体になじみやすく、拒絶反応が起こりにくいといわれています。

一方で、一頭の羊から得られるプラセンタの量は少ないため、希少で価格が高くなる傾向があります。日本で見かける羊プラセンタ製品は、主にサプリメントやドリンクとして海外から輸入されたものです。現在は、ニュージーランドやオーストラリアといった、BSE(狂牛病)が発生していない国などからの安全性の高い原料が使われています。

 

ヒトプラセンタ:医療機関向けの医薬品

ヒトプラセンタはヒトの胎盤から抽出したエキスで、日本では医療機関での注射(医薬品)としてのみ提供されています。厚生労働省承認製剤はメルスモンとラエンネックの2種。更年期障害・肝機能障害・乳汁分泌不全などでは保険適用となる場合があり、美容目的は自由診療となります。

原料は国内提供の胎盤で、厳格な検査・管理を経て使用されます。なお、一度でもヒトプラセンタの注射を受けると献血ができなくなるため、注意が必要です。

 

海洋性プラセンタ:動物由来を避けたい人向け

海洋性プラセンタは、魚卵を包む「卵巣膜」から抽出したエキスを指します。魚類には胎盤がないため、厳密にはプラセンタではありません。卵巣膜は鮭でいえば筋子を包む薄い膜の部分で、卵を育てるために必要なアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸などを含みます。哺乳類由来のプラセンタにみられる成長因子は含まれませんが、美容・健康分野の原料として広く用いられています。

 

植物性プラセンタ:動物由来を避けたい人向け

植物性プラセンタは、植物の「胎座」とよばれる部位から抽出したエキスを指します。メロンでいえば種の周囲にある部分に相当します。植物には胎盤が存在しないため、厳密にはプラセンタではありません。胎座には、種の発芽や成長を支えるアミノ酸・ビタミン・ミネラルなどの成分が含まれます。一方、哺乳類由来のプラセンタにみられる成長因子は含まれていません。美容・健康分野では原料の一種として用いられています。

どう選べばいい?原料選びのポイント

初めて選ぶときは、情報量の多さに迷いがちです。まずは「なに由来なのか」を知り、安全性や表示の確認、品質、医療領域と一般製品の違い、そして自分の生活で続けやすいかの順で見ていくと、無理なく絞り込めます。以下のチェックポイントを参考に、検討してみましょう。

 

由来と目的を決める

哺乳動物(豚・馬・羊・ヒト)は“胎盤”そのもの、海洋性は魚卵を包む卵巣膜、植物性は胎座由来で、性質や期待する使われ方が異なります。「胎盤由来にこだわるのか」「動物性を避けたいのか」「価格や入手性を重視するのか」といった優先軸を先に定めると、候補が絞りやすくなります。

 

安全性と表示をチェック

より安心して選ぶには、まずは、原料の出所と管理体制を確認しましょう。たとえば豚由来なら「衛生的な環境で育った国産原料か」「農場まで追跡できるか(トレーサビリティ)」が判断材料になります。

次に、製品ラベルでは由来名・配合量・エキス末量・全成分に加え、化粧品なら成分表示の並び順(配合量が多い順に記載)や医薬部外品での表示名(例:胎盤抽出液(1)/プラセンタエキス-1など)のチェックを。アレルギー体質の方は、動物たんぱくや魚卵由来のプラセンタに注意しましょう。

 

品質面も確認する

プラセンタ製品に多い健康食品やサプリは特に、統一規格がなく製品ごとに基準や製造方法が異なります。その分、品質にも幅があります。だからこそ、どのような体制で作られているか、どこまで情報を開示しているかを確認しましょう。

たとえば、衛生・品質管理の基準に沿って製造しているか、ロットごとの検査結果や基準を公開しているかは重要な目安です。こうした製造プロセス・検査・情報公開が一貫しているメーカーを選ぶと、品質の再現性が高く、安心して続けやすくなります。

 

医療領域と一般製品は分けて考える

ヒト由来は日本では医療機関での医薬品(注射)として取り扱われ、サプリや化粧品とは制度も入手経路も異なります。受診の可否や費用、適否は医師に相談し、一般製品の選定とは切り離して検討しましょう。

 

ライフスタイルに合うものを選ぶ

毎日続けられるかどうかは、量や味、におい、価格、買いやすさで決まります。購入方法で言えば、たとえば単品購入か定期購入かで費用や手間も変わります。保存方法(常温/要冷蔵、開封後の期限、持ち運びのしやすさ)もチェックを。最後に、動物由来原料の可否や環境配慮など、ご自身の価値観・生活習慣に合うかまで含めて選ぶと、無理なく続けやすいでしょう。

プラセンタは“自分の基準”でじっくり選ぼう

プラセンタの原料を選ぶ際はまず、安全性を前提として「目的」「品質」「続けやすさ」「価値観」「原産国」を基準に検討してみましょう。たとえば、最初は、手頃な価格で入手しやすい豚プラセンタで様子をみる、アミノ酸量を重視したいなら馬由来を検討する、動物由来を避けたいなら海洋性・植物性から始める、という選び方もあります。

ラベルの由来・配合量・全成分を確認し、購入方法や保管方法まで含めて「無理なく続けられるか」をチェックするのも長続きのコツ。変化は人それぞれなので焦らず、自分に合ったプラセンタを見つけましょう。

監修者

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